漢方が好きな人って、パターンがあるようだ。
自然派志向、アジアが好き、いつもほわんとしている、化粧も薄めだったりして。
Nさんは「最近はケバイ女性も増えましたけど」とつけ加えたが……。
それはともかく、ナチュラルな生活に近づけそうな漢方には、生き方のヒントが隠されているのかもしれない。
ホリスティック医学は、最近よく耳にする言葉。
病気を全体的にとらえて、自然治癒力を高めるためのさまざまな治療法を組み合わせるものだ。
紅葉シーズンには観光客でにぎわう京都の北西のはずれにあるT病院は、漢方を中心にホリスティックなアプローチをしている。
静かな山に囲まれた自然あふれるいいところだが、最寄り駅から遠く、バスかタクシーを使うしかない。
しかし、ここには全国から毎月一五〇〇人ものアトピー患者が押し寄せている。
また、年間三〇〇〜四〇〇人のアトピー患者が入院して絶食治療を行っている。
副院長のEさん(四五歳)はもともと西洋医学による治療だけだったが、治らない患者さんに出会うたびに、治療の選択肢を増やしていった。
「西洋医学だけでは患者が治らない。
そこで漢方を勉強し、しばらくうまくいったけれど、漢方だけではおっつかない患者さんがいる。
そして、絶食や食養をする。
それでもむずかしい患者さんがいる。
次は心理療法ですよ」Eさんは、「治療法には意味がある」「治療者がその治療法を信じている」「患者さんもその治療法を信じている」「両者に共感と信頼関係がある」の四つがそろったときに最大の治療効果が発揮されると言う。
「どんな治療法でも、心理的効果は大切。
治療しながら、好ましい心理的効果がどれくらい出せるかがポイントです。
絶食療法にしても、絶食が体に与える直接的効果以外に、スタッフや患者仲間とつきあって、共感しあい、助けあい、自分の問題に気づくという、心理的効果も期待してます」また、民間療法をまったく否定はしないが、それですべてが治ると思いこんだら危ないと指摘する。
「尿療法にせよ、極端な食事療法にせよ、何時間も掃除をするダニ除去療法にせよ、変わった治療法は心理療法的な意味あいが大きい。
それだけに、アトピーはよくなったが偏った食事を続けたために体をこわすなどということがないようにしてもらいたい。
ただし、高額のお金がかかる民間療法は、私はまったく信用していません」アトピーを悪くさせている背景に気づくEさんはアトピーを三つのタイプに分けている。
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